ブリュッセルの軍事歴史博物館


– 日本に帰国しました。
– これはブリュッセルでの最終日の出来事です。
 
 ここはサンカントネール公園、自分が行った時はたまたま警察の騎馬隊が行進の定例行事か練習を行っていました。
 結構な騎馬数です、1,000頭はいなかったですが100頭以上はいたはずです。
 どんだけアバウトな数え方なんでしょう。
 
 

 今日はブリュッセルで最も行きたかった場所です。
 昨日は月曜日なのでお休みだったはずなので、今日の訪問となりました。
 そこはベルギーの王立軍事歴史博物館であります。
 

 ジェームズ・ボンド? デューク東郷?
 「CAMP → VOGELSANG KAMP」
 この時点では何の意味か分かっていませんが、何かの企画展をやっているんだろうと当たりをつけて、中に入ります。


 
 

 実は入場無料。
 ベルギー王国、太っ腹です。
 そして中は広大なスペースです。
 


 ベルギーはアフリカのコンゴを植民地にしていたことがあります。
 その時の記念オブジェか何かなんでしょう。
 そして先に進んだ企画展スペースでは、そのコンゴの植民地時代に関する企画展が開かれていました。
 かつてベルギーは、コンゴを植民地化したことでこれだけ近代化に貢献したんだよ、特に政治と軍事面で、って語りかけているかのような展示構成でした。この博物館、英語のキャプションがほとんどと言ってもいいほど存在しないので、自分の見たもので全てを想像、そして判断していくことになります。 
 僕のように勘違いしやすいタイプもいるので、これはとっても危険なことだと思うんだけどな。

 日本もこのコンゴ関連で、何らかの関わりがあったようです。
 水筒には「治文林小」と大きく彫られていました。多分、右から読むんだと思います。
 
 


 こちらはBIZUTHさんという1940年頃の欧州戦線を取材した従軍記者兼挿絵画家と思われる方の展示スペース。ここで掲載する写真以外に全部で30枚くらいの挿絵が展示されているのですが、その全ての挿絵においてとにかく彼の画力の確かさに驚きます。戦場の一コマを、それもどちらかというと一兵卒の視点で1940年5月10日から28日までの出来事をひとつのスターリーラインで描いたこの画集はかなり見ごたえがありました。
 思わず全てを写真に収めてしまいました。
 
 


 かわいらしい人形で構成された戦場ジオラマ。
 古代の戦いから、近代の戦場まで再現されています。三国志や関ヶ原すらも。
 上で紹介した漫画や有名なTINTINも含め、ベルギー人は人物を可愛くくデフォルメした形状にして物事を眺める民族なのかな、と勝手に想像してみたり。
 
 
 




 
 こういったマネキンのジオラマも豊富です。
 第2次世界大戦ものが中心でした。
 特に当時のドイツ軍の制服なんかが豊富に揃っていて、むしろ連合軍ゆかりものが少ないくらい。Wikiで調べたらWW2当時のベルギー軍は、ドイツ軍の攻勢の前にあっという間に占領されて降伏、連合軍が解放するまでは表舞台には出てこれなかったみたいです。どちらかと言うと当時のアンチ・ドイツの連合軍側陣営とおぼしき歴史なのですが、なぜか史料はドイツ側に立ったものが多い印象(載せた写真は連合軍側が多いですね)。
 
 

 ドイツのヒトラー、ソ連のスターリン、イタリアのムッソリーニのマスク像です。
 そう言えば、その後に寄った館内書店に並んでいたWW2を子供向けに写真と漫画で解説したフランス語のムック本では、この3人と一緒に昭和天皇の写真が同じページに同じ大きさで掲載されていました。おいおいそれは違うんじゃないのか、と突っ込みたい気持ちがありますが。
 





 こういった展示物も。
 特に「触るな」と書いてあるような掲示板はありません。
 本当に触ってほしくないものだけに「触るな」という掲示がありました。
 この国、あるいは来訪者のモラルの高さが分かります。
 
 ちなみにお台場にあるトヨタの巨大展示ショールームのLexusコーナーでは、中国語で何らか注意を促す立て札がボンネットの上に置かれています(今もあるか知らんです)。
 そこには日本語の併記がないので、トヨタがどんなことを注意喚起したかったのかは分かりません。しかし中国から来られたお客様だけにお知らせしたい大事な注意があるんだと思います。
 
 
 

 次はAVIATIONのコーナーへ。
 凄いらしいとはいろんな人の旅ブログで見て知ってはいたのですが、これほど凄いとは。
 これで無料?
 

 これは退役したF-4でしょう。
 

 スターファイターかな。
 

 これってフロッガーですよね。
 退役機とは言え、旧東側の航空機をこんな間近で見たの初めてです。
 


 生ハインドです。
 頭の中には「チャラリラン♫」って、OFPのBGMが奏でられています。
 





 詳しくないので、よく分かりませんが。
 

 これはSaabのドラケンでしょう。
 今はまだ公開準備中、という感じ。
 

 すでにF-16ですら博物館行き。
 もうそんな時代ですか。
 
 
 昼食時は職員がお昼をとるため、いくつかの展示スペースが閉鎖されます。
 なので退館するか、格納庫内にある食堂で食べて時間を潰すことになります。


 ハンターって書いてあったかなぁ。
 操縦席の中に乗り込めます。
 いい年してる僕ですが、臆面もなく座ってみました。想像してたよりは狭くない。

 食堂前のこのハンターのコクピットは、子供達にも大人気。
 ひっきりなしに子供達が乗り込んでいきます。
 それを見て、親達が写真を撮ったり。
 写真のこの男の子、僕にとても愛想良いポーズを取ったりと、自分もご飯を食べながらずっと観察してたのですが、ちょっと複雑な家庭事情なのだろうと見受けました。でも彼が振りまく元気さだったり、周囲の人達への気の使い方ぶりを見てると、ちょっとジーンときました。
 
 

 戦車の展示スペース。
 時間帯が悪かったのか、ロープが張られていて付近まで近寄ることが出来ませんでした。
 他の人のブログを見てると本来は近接して観察できるようなのですが。
 

 中世の甲冑も豊富に展示。
 貴族の決闘作法を紹介するビデオなんかも流れていました。
 
 

 ベルギー軍は朝鮮戦争にも従軍していました。
 どういうストーリーかまでは分かりませんが、多分そんなベルギー軍をテーマにした映画かTVドラマの宣伝ポスター。
 ちなみにサブタイトルには「THE BELGIAN LEGACY」と書かれています。
 キャッチコピーには「They are the living history of a forgotten War」。
 2000年頃の作品みたいです。
 
 

 冒頭の方で紹介した007だかデューク東郷風のあの垂れ幕ですが、ベルギー軍の活動を紹介するモノクローム写真集のことのようです。ここにサンプル本が置かれていました。何語で書かれているのか分からんので自信ないですが、VOGELSANGってのはドイツ陸軍との合同訓練キャンプの場所っぽい。
 
 

 本当はもう一ヶ所、廻りたいところがあったのですが、王立軍事歴史博物館が見ごたえがありすぎて(昼食込みですが4時間以上も滞在してた)、ホテルに預けた荷物を回収してブリュッセル空港に向かいました。
 
 そんなこんなで帰国。
 無事に帰ってこれました。

「ブリュッセルの軍事歴史博物館」への2件のフィードバック

  1. 無事に日本に戻られたようで良かったです。
    ヨーロッパの風景や食事など旅行番組以外で見たことがなかったので興味深く見させて頂きました。

  2. コメント、ありがとうございます。
    パック旅行のような優雅な旅ではありませんが、
    国内で航空券と宿だけ予約して、後は行き当たりばったりな個人旅行であります。
    今回はネット環境が充実していたので、夜の暇な時間を
    日記更新に費やしやした。
     
    ご関心をお寄せ頂けたこと、とても嬉しく思います。

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